2016年6月に、国民選挙が行われイギリスはEU脱退を表明しました。
がしかし、2019年になった今もまだ完全に脱退していません。それはなぜなのか。まず第一に2016年の選挙の時点でどういう風な形で(例えば、具体的な日にち設定、移民受け入れ、EU間の貿易など)脱退するかが、具体的に決められていなかったのが混乱の一つの原因です。
本来は2019年3月29日でしたが、イギリス国内でも意見が別れて選択肢は2つと考えます。一つは「合意なき離脱」もう一つは「離脱延期」です。
政治評論家の中でもいろんな見解がありますが、僕個人の見解では、いろんな問題が溢れてEU脱退自体を延期させるしかない状態だと思います。2019年5月にEU議会での選挙があるので、多分7月くらいまで待つのではないかと考えます。
ただ、EU側からすると長い期間待てないのでイギリスがEUに残る場合、半永久的に残る表明をしなければいけなくなるでしょう。イギリス、EU間に緊張が走ります。
イギリス国内では『もうEUを脱退しなくていい』という意見が強くなってきています。要するに、離脱案に賛成から反対意見に変えた人がたくさんいます。
さて、なぜ今も意見が一致しないのでしょうか。前回の記事で「イギリスがEUを脱退したい理由」について書きました。
[1分で分かる世界]イギリスはなぜEUを脱退したのか分かりやすく説明する
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どうやら大きい問題がありそうですね。
一番大きい問題と言われているのが「北アイルランド領土問題」です。詳しく見ていきましょう。まずイギリスは連盟国で「イングランド」「スコットランド」「ウェールズ」「北アイルランド」の4つの国からできています。
結論からいうとこの北アイルランドを巡って、イギリスとEUで意見が一致しないのです。見ての通り北アイルランドの位置はアイルランドの島の北側にあります。今まではイギリスがEUに所属していたためアイルランドー北アイルランド間は自由に行き来できました。
ところがイギリスがEUを脱退するとなれば、国境は厳しくなり、今までアイルランドから運んでいた物資の流れが滞り、遅くなります。北アイルランドの住民からすれば不便で仕方がないです。なぜなら、国境を超える分モノに関税がかかり、物価が高騰します。
またEUーイギリス間の貿易も今までと同じようにうまくいきません。
イギリス国内のGDP(国内総生産)も7〜8%は下がるでしょうし、イギリス国内の失業率も増えます。
この事実を知ったイギリス国民はEU離脱に反対に傾きました。イギリスでは今、ブレグジット反対のデモが行われています。
なお、「移民問題」の件に関してはイギリスがEU離脱したからといって解決はしません。なぜならイギリスに移民で来るひとはEU以外からもたくさんいるからです。インド、中国からの技術力のある移民、またはかつてイギリスに支配下であったアフリカ諸国からの移民もたくさんいます。
この複雑な関係は今後数年も続くであろうと予測します。
アメリカ、イギリスをはじめ「自国ファースト」の考え方は今後も勢いを強めるでしょうしオーストラリアやニュージランドも影響を受けると思います。
読んでくれてありがとうございました。